「以前通っていた矯正歯科が遠い」「仕事や子育てで受診する時間が取れない」「紛失に備えて予備を用意したい」。そのような方にとって、自宅に届くキットで歯型を取り、オンラインでリテーナーを注文できるサービスは便利な選択肢です。
一方、自宅での歯型採取では口腔内の診察は行われません。「自宅で製作できること」と「歯科診察が不要であること」は分けて考える必要があります。
歯医者に行かずにリテーナーは作れる?
一般的なマウスピース型リテーナーは、現在の歯列を歯型や口腔内スキャンで記録し、その形に合わせて製作します。製作に使える精度の歯型を自宅で採取できれば、その歯型からオーダーメイドで作ることも可能です。
通院回数を減らし、自分の都合のよい時間に進められるのがメリットです。ただし、虫歯、歯周病、歯の移動、かみ合わせなどを診断するサービスではありません。
自宅で作る方法が向いている人・向いていない人
向いている人
先に歯科医院へ相談したいケース
現在のリテーナーが最後まで入らない、大きく浮く、強い痛みがある、歯並びが変化した、歯がぐらつく、歯ぐきの腫れや出血がある、詰め物・仮歯に問題がある、矯正治療中、固定式リテーナーが外れた場合は、歯科医師の診察を優先してください。
リテーナーは現在の歯並びを保つ装置であり、大きく動いた歯を自己判断で元へ戻す矯正装置ではありません。合わない装置を押し込むと、意図しない力がかかる可能性があります。
自宅で歯型を取る8ステップ
実際の採取方法は、届いたキットの説明書を最優先してください。歯型材は混ぜると硬化が始まるため、作業前の準備が成功のポイントです。
1.説明書を最後まで読み、道具を準備する
混合時間、トレーの入れ方、硬化時間、外し方を先に確認します。鏡、タイマー、清潔で平らな作業場所も準備しましょう。
2.口に合うトレーを選ぶ
材料を入れる前に試着し、前歯から奥歯まで無理なく収まり、歯がトレーの縁へ強く当たらないサイズを選びます。小さすぎると奥歯まで採れず、大きすぎると位置を安定させにくくなります。
3.シリコンパテを均一に混ぜる
手を洗って水分を拭き、指定された2種類の材料を手早く混ぜます。色むらが残ると部分的に硬化しないことがあり、時間をかけすぎると口へ入れる前に固まり始めます。
4.パテをトレーへ均等に詰める
パテを細長くまとめ、奥歯まで連続するように均等に入れます。片側だけ薄くなっていないか確認してください。
5.鏡を見ながら歯列の中心に合わせる
トレーと歯列の中心を合わせ、指定された方向へ左右均等に押し当てます。歯で強くかんだり、位置を決めた後に左右へ動かしたりしないことが大切です。
6.硬化するまで動かさず待つ
説明書に記載された時間、同じ位置で保持します。早く外すと変形や輪郭の崩れにつながります。強い吐き気や呼吸のしにくさがある場合は、無理に続けないでください。
7.指定された方法で取り外す
硬化を確認し、説明書どおりに外します。無理に引っ張ると歯型が変形したり、外れかけた詰め物や仮歯に負担がかかったりする可能性があります。
8.歯型を確認して返送する
前歯から奥歯まで連続して採れ、歯の形が一重で鮮明に見え、大きな気泡・欠け・ちぎれがないかを確認します。判断に迷う場合は、返送前に写真で確認してもらえるか製作先へ問い合わせましょう。
歯型採取でよくある失敗
トレーを十分な位置まで押し当てられていない。
押し当てた後にトレーが動いている。
トレーが小さい、前方へずれている、パテが不足している。
パテが偏っている、トレーを斜めに押している。
混ぜてから時間が経ち、硬化が進んでいる。
材料が均一でない、必要な範囲を覆えていない。
不十分な歯型から製作すると適合に影響する可能性があります。失敗が疑われる場合は、そのまま返送せず製作先へ確認してください。硬化済みの材料は再利用できません。
余分に見える部分を切ったり、欠けを別の材料で補修したりすると、製作に必要な情報が失われることがあります。直射日光や高温になる車内を避け、説明書どおりに保管・返送してください。
完成したリテーナーが届いたら確認すること
- 前歯から奥歯まで無理なく入る
- 一部だけ大きく浮いていない
- 簡単に外れない
- 強い痛みがない
- 鋭い部分が歯ぐきや舌に当たらない
- ひびや変形がない
新品では適度な密着感を覚える場合があります。ただし、最後まで入らない、一部の歯だけを強く圧迫する、強い痛みがある場合は無理に使用せず、製作先または歯科医師へ相談してください。
自宅で作れるTeethcleanのリテーナー
専用キットで自宅から歯型を採取し、歯科技工所でオーダーメイド製作。注文から完成品の受け取りまで、自宅中心で進められます。
リテーナーを確認する※歯科医師による診断や矯正治療に代わるサービスではありません。
初回は歯型採取が必要です。利用可能な歯型データが保管されている場合は、交換用や予備用を再注文する際に、歯型を取り直さず製作できます。
よくある質問
自宅で取った歯型でも作れますか?
必要な範囲を鮮明に採取できれば、その歯型をもとにオーダーメイドで製作できます。浅い、二重、奥歯が欠けている場合は、取り直しが必要になることがあります。
上と下の両方を取る必要がありますか?
注文するリテーナーとサービス内容によって異なります。届いたキットと注文内容を確認し、指定された歯型を採取してください。
現在のリテーナーが入らなくても、新しい歯型で作れますか?
歯が動いている可能性があるため、製作前に矯正歯科または歯科医院へ相談してください。自己判断で現在の歯並びを固定することが適切とは限りません。
市販の熱成形マウスピースを代わりに使えますか?
スポーツ用などの市販品は、矯正後の歯を正確な位置に維持する目的で作られたものではありません。リテーナーの代用品として使用しないでください。
予備も用意した方がよいですか?
旅行や出張が多い方、過去に紛失・破損した方は予備があると安心です。ただし、歯並びや歯の形が変わると保管品が合わなくなることがあるため、久しぶりに使うときは無理なく装着できるか確認してください。
まとめ|自宅で作れるが、現在の歯の状態の確認が大切
矯正治療が終了し、歯並びが安定している方であれば、自宅で採取した歯型からリテーナーを作れる場合があります。トレーのサイズ、パテの混合時間、トレーを押し当てる位置、硬化時間を守ることが、失敗を防ぐポイントです。
一方、現在の装置が入らない、歯が動いている、強い痛みや腫れがある、虫歯・歯周病が疑われる場合は、オンライン注文より先に歯科医師へ相談してください。
通院時間がなくても、歯並びを守る準備を
交換用・予備用のオーダーメイドリテーナーを、自宅から注文できます。
オンラインショップを見る引用・参考
- American Association of Orthodontists「Orthodontic Retainers」
- American Association of Orthodontists「When Your Retainer Feels Tight」
- British Orthodontic Society「Retainers」
用語集
リテーナー:矯正治療後の歯並びを維持するための保定装置です。
保定:矯正治療後の歯を新しい位置に安定させ、後戻りを抑えることです。
歯型:歯の形と歯列を記録した型で、オーダーメイド装置の製作に使います。
シリコンパテ:2種類の材料を混ぜて硬化させ、歯の形を記録する歯型材です。